クリスタ・ヴォルフ - 東西ドイツのための文学

DW でドイツ語を学ぶ Top-Thema mit Vokabeln

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　　　　　DW でドイツ語を学ぶ - 第311回　06. Dezember 2011
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　このシリーズは、DW-WORLD.DE - Deutschkurse - Deutsch XXL -
Deutsch Aktuell - Top-Thema mit Vokabelnのテキストと解説を日本語に
したものです。


　テキストは以下のページにあります。テキストの音声も聞くことができ
ます。


　今日のテキスト
　http://www.dw-world.de/dw/article/0,,15580392,00.html


━━[語句の説明]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


　Mauerfall, der – 東西ドイツの国境の開放、ベルリンの壁崩壊(1989)


　gesamtdeutsch – いずれのドイツ国家(BRD(ドイツ連邦共和国)も
DDR(ドイツ民主共和国)も)も意味する、全ドイツの


　DDR, die – ドイツ民主共和国(die Deutsche Demokratische
Republik)(1949 – 1990)の短縮形


　Literaturpreis, der – 作家のための賞、文学賞


　auszeichnen – 何かで人を尊敬する、称賛する、名誉を与える


　Republikflucht, die – 違法に国(例えば、DDR(ドイツ民主共和国))を去
ること、国外逃亡


　Systemkritik, die – 国家の政治的秩序に対しての批判、体制批判


　Regimegegner/Regimegegnerin, der/die – 政治体制に反対している
人、反体制主義者


　Zensur, die – 公になる前の国家による芸術作品やメディアなどの検査、
検閲


　sich einsetzen für/gegen etwas – 何かに賛成あるいは反対して戦う、
運動を展開する


　von etwas überzeugt sein – 何かに対して何の疑いも持たない、確信
している


　feministisch – 女性の人権のために活動している、男女同権主義者、フ
ェミニスト


　eigene Ich, das – 独自の個性、自分独自のもの、独自の私


　im Mittelpunkt stehen – 特に重要である、関心の中心にある


　Nicht-Passender/Nicht-Passende, der/die – ここでは、そこに属し
ていない人、相応しくない人


　Männerwelt, die – ここでは、男によって支配されている社会、男社会


　jemanden an etwas hindern – 人が何かを作ることができない、人を
何かの邪魔をする、妨害する


　Wiedervereinigung, die – DDRと BRDとの国家統一(1990)、再統一


　angeblich – 恐らく本当ではないことを主張する、申し立てによると、
伝えられるところによると、多分


━━[テキスト試訳]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


　クリスタ・ヴォルフ - 東西ドイツのための文学


　クリスタ・ヴォルフは、現代ドイツの最も重要な作家の一人であった。
彼女の書物は、東ドイツだけでなく、西ドイツでも成功を収めた。2011
年12月１日、彼女は、ベルリンで亡くなった。82歳だった。



　ベルリンの壁崩壊の遥か以前から、クリスタ・ヴォルフは、唯一人の真
の統一ドイツの女流作家であった。彼女の作品は、彼女が生きた DDR(ド
イツ民主共和国)だけでなく、西ドイツでも成功を収め、様々な文学賞を、
ドイツの両国で受賞した。


　DDRでは、彼女は、1963年に、小説「引き裂かれた空(Der geteilte
Himmel)」で有名になった。慎重な体制批判のある国家への忠誠と国外逃
亡のこの恋物語は、クリスタ・ヴォルフを、最も重要な社会主義の女流作
家の一人にした。彼女は、反体制主義者に味方し、国の文学への検閲に反
対していたが、彼女は、確信した社会主義者のままだった。


　外国では、何よりも 1970年代や 1980年代のフェミニストの女性たち
が、独自の自分を求める際に、クリスタ・ヴォルフによって助けを見いだ
した。なぜなら、彼女においては、常に女性が中心に立っていたから。男
性社会の中では、見知らぬ、他の、相応しくない人である女性たち。「私
は、本当は誰であるのか、私が、私自身であることを、何が邪魔をするの
か？」1968年の小説「クリスタTの追想(Nachdenken über Christa T.)」
のこうした問いを、クリスタ・ヴォルフは、彼女の作品すべてで問うてい
る。


　ベルリンの壁崩壊後、クリスタ・ヴォルフが、東ドイツといかに親密に
結びついていたかが明らかになった。DDRが、もはや存在しなくなくな
ったとき、彼女は「私は、この国をずっと愛してきた。」と語った。再統
一後は、DDR-体制に積極的に反対する態度を取って来たと伝えられてき
たことで批判された。こうした理由からも、彼女の最後の書物は、それほ
ど読まれなかった。


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