「真の」シェークスピア

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     DW でドイツ語を学ぶ - 第306回 18. November 2011
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 このシリーズは、DW-WORLD.DE - Deutschkurse - Deutsch XXL -
Deutsch Aktuell - Top-Thema mit Vokabelnのテキストと解説を日本語に
したものです。


 テキストは以下のページにあります。テキストの音声も聞くことができ
ます。


 今日のテキスト
 http://www.dw-world.de/dw/article/0,,15535807,00.html


━━[語句の説明]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 Dramatiker/in, der/die – 劇場のために話を書く作家、劇作家


 Weltliteratur, die – 世界中に知られている文学、世界文学


 Zweifler/in, der/die – 何かを信じない人、疑い深い人


 Zeitgenosse/Zeitgenossin, der/die – 同時に他の人のように生
きた人、同時代人


 etwas in Frage stellen – 何かを信じない、何かを疑問に付す


 Stück, das – ここでは、劇場で演じられる物語、芝居、劇


 aus der Feder von jemandem stammen – 誰かに書かれた、誰か
の筆に由来する


 etwas entzündet sich an etwas – 何かが何かによって発展する、
火がつく、発火する


 bürgerlich – ここでは、単純な、質素な、高貴でない、市民の


 unspektakulär – 人や物が特別なことは何もない、退屈な、見栄え
のしない、↔ spektakulär


 Existenz, die – ここでは、生命、自己都合、存在


 genialisch – 偉大な、天才的な(名詞:Genie)


 Romantik, die – 18世紀や 19世紀の、芸術に於いて感情が重要な役
割を果たす時代、ロマン主義


 Grandiose, das – 特に知的で幻想的なもの、崇高なもの、荘厳なも


 schlichte Herkunft, die – ここでは、質素な市民の家庭に由来す
ること、質素な生まれ


 Theorie, die – 理念、議論によって支持された主張、理論


 Lücke, die – ここでは、欠点、間違い、ずれ、すき間


 Adelige, der/die – 社会的に高い層に属する人、貴族


 Identität, die – ここでは、その人であること、アイデンティティ


━━[テキスト試訳]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 「真の」シェークスピア


 シェークスピアは、世界文学の極めて有名な劇作家の一人である。しか
し、彼の作品は、実際は、もしかしたらまったく別の人によって書かれた
のではないのか? 多くの人が、まだ知られていない作家の存在を疑って
いる。



 ウィリアム・シェークスピアの同時代人は、彼の作品が、本当に、彼の
ペンに由来するのか疑問に思わなかった。疑いは、彼の死後 250年、19
世紀半ばになって初めて生じた。今日までに、およそ 5000冊の書物が書
かれ、その中で、真の著者として、シェークスピアに疑問が投げかけられ
た。


 シェークスピア協会のトビアス・ドーリング教授は、こう説明する。
「疑いは、ストラトフォード出身のこの男の質素で豊かで見栄えのしない
存在に生じる。これほど天才的な作品を彼のものとすることはできない。
ロマン主義の天才の理念では、偉大な詩人は、とりわけ永遠に続く人格で
あった。この崇高な理念に、シェークスピアは、その平凡な生まれは適合
しなかった。」と、ドーリング教授は語る。


 ローランド・エメリッヒ監督の映画「作者不詳」では、貴族のエドワー
ド・ド・ヴィアが、真のシェークスピアである。しかし、「真のシェーク
スピア」を探る他のすべての学説同様、これにも欠点がある。南ドイツ新
聞のクリストファー・シュミットは、こう語る。「ド・ヴィアは、1604
年にはすでに死んでいた。それは、シェークスピアが書くのを止める十年
以上前のことである。」つまり、ド・ヴィアは、その作品を、予め書いて
おかなければならなかった。- そんなことはあり得ない、とシュミット
はさらに解説する。


 シェークスピアの作品の作者について、誰も確かなことを言うことはで
きない。また、シェークスピアが、自分自身で作品を書いたのでなければ、
一体何が変わるのだろうか? そうしたニュースは、人をアッと言わせる
面白いものであるだろう。それは、恐らく、唯一人の真のシェークスピア
を探し求める現実的な根拠であるだろう。- なぜなら、本当に、誰でも
皆、ただワクワクさせるような話をしたいと思っているから。


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